資金調達に抜け目がないバイキーギャング

(2013 Nov 23)


バイキーギャングといえば、空港で暴力沙汰を起こしている血の気の荒い怖い男たちを想像する人々は少なくありません。しかしその一方で、彼らは活動資金が尽きることがないように裏で緻密な資金繰りを行っています。日本のやくざと同じですね。

ここ10年でバイキーギャングの数は急激に増加。オーストラリア全土で44のグループが存在し、その下部組織の数は全部で179、所属人数は4483人になるそうです。

バイキーギャングの一部の人間たちは非常に洗練されており、弁護士、薬剤師、会計士、銀行員など、職種は様々。バイキーギャングというけれど、彼らはバイクをもっていません。彼らの仕事は強固なマネーネットワークを形成し、バイキーギャングという組織に常に潤沢な資金が流れるようにすることだからです。

具体的な仕事の内容は合法非合法問わず多岐にわたります。例えば、麻薬売買、武器不正取引、牽引車事業、自動車修理工場、盗難車転売、恐喝、売春、刺青屋、セキュリティガード、ビタミン剤ショップなどがあげられます。

専門家の試算によれば、バイキーギャングの年間歳入は100億豪ドル、今の為替レートで考えれば日本円で9千億円以上になります。これはオーストラリア最大の金融企業グループ「マッコーリーグループ」の年間歳入に匹敵します。